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F冠の由来探しの旅
JISでは、ねずみ鋳鉄品をFC250、球状黒鉛鋳鉄品をFCD450などと標記している。F冠の由来探しの旅に出た。
JIS G 5501で「ねずみ鋳鉄品」は「Gray Iron Castings」と英語標記されているが、「片状黒鉛鋳鉄:Flak Graphite Cast Iron」とも呼ばれているので、その頭文字のFと推察できる。では「球状黒鉛鋳鉄品」は「Spheroidal Graphite Iron Castings」と表記され、その他「Ductile Cast Iron」や「Nodular Cast Iron」と呼ばれてFは出てこない。
FCは何とかこじつけられるが、FCDには当てはまらない。どうも初めの推測は外れた様である。そこで鉄関係でF冠を探すことにした。
鉄の元素記号は「Fe」、合金鉄でFeSi(フェロシリコン)、FeMn(フェロマンガン)、FeCr(フェロクロム)などがあるのが分かったが、ズバリ当てはまるものに辿り着かない。そこで、出発点に戻って「JISハンドブック①鉄鋼Ⅰ」を探したら「参考」の項に「鉄鋼記号の分類別一覧表」を発見、<ねずみ鋳鉄:FCは、F:Ferrum、C:Casting>、<球状黒鉛鋳鉄:FCDは、F:Ferrum、C:Casting、D:Ductile>次の様な説明に納得、一応F冠探しの旅は終わった。
<追伸>「Ferrum」は、ラテン語の「硬い」や「強固」を意味するfirmusに由来するといわれ、この派生語が英語のferro、ferrous、ferri、ferricだそうです。
H.K