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鋳物用語解体新書

ぱいすけ(パイスケ)

パイスケ

パイスケ(三島市のホームページから)

「パイスケ」、この不思議な言葉の語源は、外国人がこれを見て「バスケット:basket」と発音したのが訛って「パイスケ」となったといわれている。

 これは、篠竹などで作った竹ひごを編んだ円形の竹籠(たけかご)のこと。鋳物業とくに中小の企業では昭和40年代前半までよく使用されていた。大小の籠があり、補強として籠の底に鋼板が用いられていた。主にキュポラ熔解材料など(たとえば、銑鉄、鋼材、戻り材(クズ鉄も含む)、石灰石、合金材料、コークスなど)をこれに入て運び投入順に重ねて並べ準備していた。また、籠の大小によってコークスの重量が調整できる便利さも兼ね備えていた。

 その後、パイスケも金網製(鉄パイ)、現在ではプラスチック製(プラパイ)へと時代の変遷とともに変わって来たが、今日ではあまり見られなくなっている。

 このかごは、昔から鋳物業ばかりでなく土木、建設業、農業、漁業など一般に使われてきた竹製の籠で、どれも「パイスケ」と呼ばれていたようです。

 余談ですが、似たような言葉に「イ」が「ン」に変わったものがありますが、意味も語源もまったく関係ないものでした。

(2009年5月)