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鋳物用語解体新書

たたら(踏鞴)

 鋳鉄鋳物の原料となる鉄の製造法はいくつかあるが、その中でも、古代和鉄・和銑の精錬法として「たたら製鉄」が知られており、いくつか独特の用語があるので、これについて連載したい。初回は「たたら」について紹介する。

 広辞苑で調べてみると、「①足で踏んで空気を送る大きなふいご。地踏鞴。(神代紀(上)訓注)、②「たたらぶき」の略。」とあった。さらに、「たたらぶき(踏鞴吹き)」は、「砂鉄と木炭を原料とし、たたらを用いて行う和鉄精錬法。古代以降中国地方などで行われた。その精錬炉をもたたら(鑪)と呼ぶ。」と解説されていた。つまり、和鉄を精錬する時に炉内に風を送り込むために使われる道具の名前が由来の、鉄の精錬法ということがわかった。

 インターネットで調べてみると、英語にもなっており「TATARA  steel making method」とそのままの発音で呼ばれるらしい。有名な映画「もののけ姫」で製鉄場が出てくるが、あれは「たたら製鉄」そのものだったことを思い出した。

(A.Y)
(2011年4月)