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鋳物用語解体新書

応力:おうりょく,Stressと引張強さ

 応力は、引張強さ、圧力、その他に内力や歪力の総称であるが、どうしてこのような名称になったのかを探ってみた。物体に外から力(外力)が加わるとその物体内に外力に対応する力が発生、物体が変形に抵抗する力(抵抗力)が生ずる。その力が掛かる所の面積で割り標準化したものが応力である。単位は、N/m2(Pa:パスカル)である。
 引張り試験で試験片の両端を引っ張ると試験片内部に変形に耐えようとする力(抵抗力)が生じる。更に大きな力を加えるとそれに応じて抵抗力も大きくなる。抵抗しきれなくなると破断に至る。この時の引張り力(N:ニュートン)を試験片の断面積(mm2)で割った値が「応力」で、引張りに対応するものなので「引張強さ」と呼ぶ。

 外力が圧縮なら抗圧力(あるいは圧力)、天気予報で出てくる高気圧、低気圧そして台風の大きさも応力で表される。一般に1気圧は1,013hPa(私たちの体は,cm毎に1kgの錘で押されている)、これより大きなものを高気圧、低いと低気圧でと呼び、台風の大きさは950、980hPaなどと表示され低いほど大きなものになるので要注意である。 

 

(H.K)
(2011年9月)