関東支部の活動

研究

日本鋳造工学会 関東支部研究部会 第73回講演会

(1) 自動車の軽量化、(2) コストと材料特性の双方から考えた材料と工法選択

 去る平成18年8月25日(金) 「(1)自動車の軽量化、(2)コストと材料特性の双方から考えた材料と工法選択」をテーマに、第73回関東支部講演会が千葉工業大学芝園キャンパスにて開催されました。 「自動車軽量化のために鋳物部品に期待すること/日産自動車株式会社 技術開発本部 材料技術部 三部 隆宏氏」と「自動車向け鋳物の軽量化技術 - ダクタイルからアルミニウム、マグネシウム合金まで -/旭テック株式会社 基礎研究部 山田 徹氏」の2つの講演は、ともにタイムリーな内容で、講演後は聴講者(40余名)との質疑応答で時間超過の盛況な講演会となりました。

自動車軽量化のために鋳物部品に期待すること
日産自動車株式会社 三部 隆宏 氏

三部 隆宏 氏 日産自動車の三部様から、自動車の軽量化における各種の材料選択、工法選択についての考え方をご講演頂いた。このところアルミ地金の価格が上がっており、そのために安価な鋳鉄の優位性が復活する傾向がある。同時に、マグネシウム合金の材料コストがアルミ合金と大差なくなっていることから、開発の立場としては、マグネの採用も無視出来ないとのことであった。自動車会社の立場としては、要求スペックを満たしてさえいれば安価な方が良いということで、とくに、ファミリーカークラスでは、高級車よりもコスト低減要求が厳しいので、そういう観点から材料、工法を選択するとのことである。鋳造の隠れた良さにスポット溶接よりも部品としての剛性が高められることがある。鋳造やさんはティア1を目指してほしいとのことであった。

 

自動車向け鋳物の軽量化技術 - ダクタイルからアルミニウム、マグネシウム合金まで -
旭テック株式会社 山田 徹氏 氏

山田 徹氏 氏 旭テックの山田様から自動車の軽量化のための高強度ダクタイル合金開発、薄肉LPDホイール鋳造法、マグネシウムダイカストプロセスについて説明がなされた。マグネダイカストについては、大型の部品の量産に成功し採用されている。また、独自の表面荒さ低減プロセスについてもご講演を頂いた。コストと量産における品質の確保など新材料、新工法の開発は容易ではないが、鋭意、取り組まれているとのことで、関東支部の各社さんから多くの質疑がなされた。