関東支部の活動

研究

第33回加山記念講演会が開催される

(公社)日本鋳造工学会
山梨大学 野田 善之

 2022年4月15日に第33回加山記念講演会がオンライン形式で開催された。今回は昨年度と同様にオンライン形式での開催となった。講演会では公益社団法人日本鋳造工学会顧問の佐藤和則氏より「生型ラインにおける慢性不良の砂かみ欠陥対策技術」と題して、ご講演いただいた。

 最初に佐藤氏のこれまでの取り組み(前職の株式会社アイメタルテクノロジー(現 株式会社IJTT)での取り組み)の概要をご紹介いただき、鋳物欠陥と砂性状のばらつきの関係を丁寧に解説いただいた。砂性状の安定化にはCB値をコントロールすることが重要であることについて実験データを示しながら説明いただいた。また、砂性状のばらつきを抑える混練条件や生型造型機の進歩、砂型の変遷などを分かり易くご紹介いただいた。オンライン形式による講演会のため参加しやすいという理由だけではなく、多くの生産現場で課題となっている内容に対して、これまでの取り組みを豊富な情報量でご紹介いただいたということもあり、65名もの多くの方々が聴講された。

 佐藤氏の講演では、鋳物欠陥対策のために砂性状の管理方法や造型方法など様々な取り組みがなされ、技術が高度に進歩してきていることを実感したが、一方で砂の管理には様々な要素が絡み合い、明らかとなっていないことも多いという印象を受けた。