関東支部の活動

YFE

第144回 全国大会参加記

2004/5/28 (有)日下レアメタル研究所 鹿毛

YFE大会でのひとこま

 第144回全国講演大会は、前日の技術講習会、YFEの子供いもの教室それに平行して鋳造&技術展示会と近年にない多くの方々の参加により大盛会に成功裏に挙行された。展示は鋳造品の半分のシェアを持つ自動車関係が多く、これまでマスコミに作られた鋳物の明るく夢のある力強いイメージに変わった。

 研究発表で興味深かったのは、鋳鉄溶湯を減圧し、注湯した際に起こる顕微鏡組織変化(127~129)、球状黒鉛鋳鉄の磁気特性を調べソレノイド製品の磁気回路部品への適用結果報告(78、79)、鋳鉄の赤さびを予防する防錆熱処理(77)であった。

 OSでは教育(33~35)と銑鉄鋳物の研究開発の現状と今後の動向を傾聴した。前者では企業実習を必すう科目とする大学の取組みと学生の「また行きたい。」との感想、後者では技術に「ハイテクもロウテクもない。皆世界に誇るハイテクである。」という講師に共感した。
  YFE大会は100名近い方々が傾聴、前半のYFE関係各賞受賞者の研究発表は球状黒鉛鋳鉄、白銑,AlーSi合金組織そしてAl鋳物でのCAEによる実体強度予測と盛りだくさんの充実した内容、後半の目玉は鋳込み溶湯の流れ挙動や低融点合金の凝固がX線を活用した動画で見ることが出来た。
 鋳鉄の欠陥は内部欠陥や表面欠陥に黒鉛形状を含める。超音波伝播速度、内部欠陥検査そして硬さを渦電流値で評価できることが示された。さらに鋳物の信頼性を上げるため破壊靱性も必要な知識であることが説明された。

  好天五月晴れの3日間、大会は室内であったが充実した清々しい時間を頂き実行委員はじめ関係各位に感謝。