関東支部の活動

YFE

YFE工場見学記

(株)TOSEI天城工場、リョービ(株)静岡工場
2005/3/11 (独)物質・材料研究機構 高森

TOSEIでの工場の説明風景

 見学会当日、あいにくの雨模様ではあったが、JR三島駅には遅刻者なしで全員集合。総勢19名で伊豆半島中腹を目指して出発した。最初の見学先、(株)TOSEIに1時間ほどで到着。

  (株)TOSEIはマグネシウムダイカストの専業メーカーで、ホットチャンバー法によるマグネシウムダイカスト品の素材から完成品までを一貫して製造している。生産品目は自動車部品、ノートパソコンなどのOA機器部品、携帯電話、MD、CD、放送用機器等の情報家電部品及び電動、空圧工具、農林機器など産業界全般に亘ってマグネシウム合金ダイカスト部品の供給をしている。金型設計は各種シミュレーションを利用して、すべて社内設計としている。マグネシウムは、アルミニウムダイカストに比べ焼付きがほとんど生じないことから、抜け勾配を小さくできるのがメリット。部分的に逆テーパーになっている製品も製造している。外観を損ねる欠陥が一番多く、ガス欠陥等は少ないようである。高温でのクリープ特性の改善を求められることが多いとのこと。

リョービ静岡工場前

 昼食は、沼津インター付近のレストランでとった。日下レアメタル鹿毛氏の鶴の一声で、食後にコーヒーが付くことになった。

 午後からリョービ(株)静岡工場の見学。言わずと知れた日本を代表とするアルミニウムダイカストメーカーである。自動車部品、電動工具等は有名だが、印刷機器(オフセット印刷機、編集ソフト等)や建築用品(ドアクローザ、ヒンジ、建築金物等)も主力製品となっている。

講師の井澤さん

 第6工場は、2004年に建設された最新の鋳造工場である。綿密に設備レイアウトが計算されており、工程でのタイムロスが大幅に抑えられている印象を受けた。加工工場では、精度を極限まで上げるため室温を22から23℃と一定温度に管理されていた。比較的古い設備から最新の設備までみることができ、時代とともに着実に製造技術が進歩していることが伺えた。

勉強会の様子

 続いてリョービの井澤龍介氏を先生に「次世代油性離型剤とその少量塗布技術の開発」という題で、離型剤の開発状況を講演していただいた。水性離型剤を使わずとも、環境的にも品質的にも有効な新規離型剤ということで、ダイカストに関心のある方は興味津々であった。

 最後にお忙しい中、貴重な時間を工場見学に割いて頂きました(株)TOSEIならびにリョービ(株)の方々に厚く御礼申し上げます。