関東支部の活動

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YFE工場見学記

いすゞ自動車株式会社 藤沢工場~妥協のない物づくり~

東京都市大学大学院 工学研究科 機械工学専攻
機械材料研究室 修士課程2年 森田和幸

 2010年9月10日(金)、いすゞ自動車株式会社藤沢工場の見学会に参加した。当日は連日続いた厳しい暑さも和らぎ、過しやすい天候の中総勢19名の参加者が14:15に湘南台駅東口に集合した。そこから送迎バスに乗り10分程度でいすゞ自動車㈱藤沢工場に到着した。藤沢工場は、工場正門から続く広く長い並木道が印象的だった。

 藤沢工場は、いすゞ自動車の生産を支えるマザー工場であり、主に大型・中型・小型トラックの組み立てを行っている。先進の環境性能と経済性を兼ね備え、耐久性・信頼性において高い評価を得ている日本の代表的小型トラック「いすゞエルフ」も藤沢工場で生産されている。

 まず、工場に到着し、いすゞ自動車㈱の内山一昭様より会社概要についてご説明頂き、藤沢工場の紹介DVDを見せて頂いた後、工場見学へと移る。ここでは中型・大型トラックの組み立てライン及び小型トラックの組み立てラインを見学させて頂いた。藤沢工場では、小ロット・多品種で、しかも車のフレーム長が異なる大型車と中型車を1本のラインで組み立てる等のフレキシブル化が進められ,効率の良い生産体制がとられていた。工場内はとても明るく、「ラインの見える化」や人の手による作業場では、車体の傾きを変え、作業者の体に負担軽減など作業環境改善に積極的に取り組んでいるのが印象的だった。また、インライン検査ではチェックポイントを多く設けており、品質維持に対する熱意を感じることができた。

勉強会の様子 工場見学後の質疑応答では活発に意見が交わされた。また、質疑応答後、いすゞ自動車㈱の茂泉健氏より「自動車会社における材料(素材)屋さんの仕事」に関してご講演頂いた。我々学生にとって普段聞くことのできない材料屋の役割や鋳造製品の設計の進め方、鋳造シミュレーション(CAE)など、解りやすくご説明いただけたので大変勉強になった。

 工場見学会後、湘南台駅に戻り茂泉氏を交え懇親会が開かれた。見学会に参加したほとんどの方が懇親会にも参加しており,鋳造工学会で活躍の方々や他大学の学生とお酒を飲みながらざっくばらんに話ができ、交流を深めることができた。特に他大学の学生との交流は研究生活や学生生活に対して大きな刺激を受けることができた。

 最後に、大変お忙しい中、工場見学をさせていただいたいすゞ自動車株式会社の方々に深く御礼申し上げます。