鋳物でつながるネットワーク、日本鋳造工学会関東支部

日本鋳造工学会関東支部，都立産業技術研究センター合同セミナーのご案内

ダイカストの欠陥制御のための基礎講座

　ダイカスト技術の進歩により従来の「筐体もの」にとどまらず、熱処理が可能で、かつ溶接部位も含めた機械的要求特性の高い大型の車体部品・足回り部品が製造されるようになってきました。HEVでは軽量化の要求から、より薄肉かつ高品質のダイカストが求められています。一方、ダイカストにおいては鋳巣、空気巻き込み、水素ガス空孔、破断チル層や介在物（ハードスポット）、湯境など多種多様な欠陥が存在します。設計者の信頼を勝ち得てより広範にダイカストを使用してもらうためには、これらの「生成原因と対策の基本」、「要求特性に対して欠陥サイズをどの程度に押さえ込むべきか」、「欠陥を制するために製品設計にどう提案するか」といった知識が有用です。これらに関して若手技術者・研究者から中堅の方を対象にした教育的なセミナーを以下のプログラムで10月29日(金) 午後，東京都立産業技術研究センター 講堂にて開催致します。
　尚、このセミナーは東京都（会場・費用面）の支援があり無料で開催致します。関係各位に感謝すると共に、多くの方々の申込をお待ちしております。定員100名になり次第、締め切りとなります。

13:00～13:05	(社)日本鋳造工学会関東支部支部長挨拶（井田雅也）
13:05～13:15	都立産業技術研究センター 理事長挨拶（片岡正俊）
13:15～13:40	これからの自動車向けダイカストの方向性と要求品質（日産自動車（株）神戸洋史） 自動車に要求される機能が増すにつれて、自動車部品への要求も年々厳しくなっている。従来、軽量化を目的に多くのダイカスト部品が適用されてきたが、今後、更なる軽量化や高強度・高靭性が要求されてくる。これらの動向について紹介する。
13:40～14:20	各種欠陥の生成要因と制御のとりくみの歴史（日本ダイカスト協会　西　直美） ダイカストは，高速で短時間に金型キャビティに溶湯を充填することから，種々の欠陥を発生する．欠陥対策技術が進展したのは，1970年代以降であり，様々な取り組みがなされた．基本的な考え方は現在と変わりなく，過去の技術から学ぶことが多い．ここでは，これらの先人達の知恵を探り，新たな技術開発への適用を検討する．
14:20～14:50	欠陥サイズと機械的性質に関する従来研究（早大　吉田　誠） 破断チル層や介在物などの種々の欠陥がどの程度機械的特性に影響を及ぼすか、欠陥サイズをどの程度に押さえ込めば良いのか、その指針や考え方については未だ研究がなされているところである。ここでは従来の知見をまとめて紹介する。
14:50～15:00	休憩
15:00～15:40	溶湯品質とハードスポット（東京都立産業技術研究センター　佐藤健二） アルミニウム合金の溶湯品質はガス，酸化物･介在物，組成で評価される。溶解過程でのガスや溶湯酸化の挙動，及びその評価としてのガスと介在物の炉前試験法，ダイカストの欠陥のハードスポットの生成と対策について紹介する。
15:40～16:20	アルミニウムダイカストの溶接と欠陥（リョービ（株）駒崎　徹） ヨーロッパから始まった高真空ダイカストの利用が日本でも行われるようなってきた．それにともない，ダイカストの熱処理や溶接を行うことが増え，今までなかった不良が起こるようになってきた．その中での溶接不良に焦点を当てた．アルミニウム合金の物性は鉄鋼材料と大幅に異なり，さらにダイカスト品はガス量も多い．そのため，アルミニウムダイカスト品の溶接性は，鉄に比べ大きく異なっている．そこでアルミニウムダイカストの溶接特性や適切な溶接法を含めた不良対策方法を紹介する。
16:20～17:00	欠陥を低減するための製品設計（日立金属（株）金内良夫） ダイカスト製品の不具合はプロセスのみではなく製品設計そのものに起因する例が少なからず存在し、生産性を阻害している要因として存在する。内部欠陥や外部欠陥を低減するための製品設計の指針について報告する。
17:20～19:00	懇談会（都立産業技術研究センター・食堂）

日時	平成22年10月29日(金) 13:00～17:00
場所	東京都立産業技術研究センター講堂 所在地：北区西が丘3-13-10 電話番号：03-3909-2151（代表）
定員	100名（定員に達し次第締め切ります）
参加費	セミナー ： 無料 懇談会費：3000円　（当日会場で申し受けます)
申込先	下記申込書にてメールまたはFaxで申し込み下さい。 新東工業（株）東京支店 柳沢俊夫、宇野美津希 Tel. 03-3502-5481 / Fax. 03-3580-5504 E-mail: t-yanagisawa@sinto.co.jp
申込期限	平成22年10月15日（金） (10月15日以降は当日会場で受け付け)
交通手段	・JR赤羽駅西口から「王子駅行き」バスで西が丘１丁目下車　徒歩3分 ・JR赤羽駅西口から「赤羽車庫行き」バスで国立西が丘競技場下車　徒歩1分 ・JR十条駅から「赤羽駅西口行き」バスで国立西が丘競技場下車　徒歩1分 ・都営三田線板橋本町駅および本蓮沼駅下車　徒歩12分