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鋳物用語解体新書

「おいてこい」:「付けもの」、「そえもの」、「おいてこ」、「Loose piece」

 模型(鋳物形状を木や、金属,プラスティックスで作られた鋳物と同形状のもの)の一部が出張っていて、そのまま(一方向)では抜けないときに、その部分を鋳型内に残して模型の主体を抜き、後から取り出すようにする。この鋳型内に残す部分を呼ぶ。

 鋳物は複雑な形状が要求される。いろいろな工夫がなされてきた。鋳物のどの部分で上型と下型に分割する(見切る)技術,中空品を作るために中子を考え出し、さらに「おいてこい」のような工夫で複雑な鋳物を作る可能性を高め、今日の造型技術に到達している。「おいてこい」は、分割模型(split,parted pattern)、よせ型(draw back)の原点であろう。見切線よりも上や下にある側面の突起、一体型模型では縦には抜けないが、その部分を主模型から切り離し鋳型に残し、その後に横に抜くわけである。なるほど3次元パズル、知恵の輪のようにも思える。

(2009年9月)