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鋳物用語解体新書

甑(こしき):small cupola

せいろ

蒸籠(せいろ)

 小型のキュポラをさす言葉、明確な定義はないが熔解量1トン以下のキュポラまたは炉体を湯溜、胴、朝顔などに分割しうるものをこう呼ぶ。わが国古来からの呼び名で、酒造の際、米を蒸す蒸籠(せいろ)を甑(こしき)と言い、積み重ねるのが似ているのでこう呼ばれるようである。
以上「鋳物用語辞典:日本鋳物協会(現:日本鋳造工学会)編、昭和32年9月30日発行」に記され、また『ウィキペディア(Wikipedia)』では、以下のようにWeb.で説明されています。
円筒形ないし鉢形の土器に複数個の蒸気孔が開けられ、すのこを嵌(は)めて米を乗せ、水を湛(たた)えた別容器(:れき)と共に蒸気で蒸(む)しあげる。中国では河姆渡遺跡などから出土しており、新石器時代には利用が認められている。龍山文化の頃になると甑と鬲を融合させた土器()なども出現した。                              
3世紀から4世紀にかけて朝鮮半島を伝い、日本にも伝来したと見られ、5世紀には須恵器土師器のひとつとして甑が見られるようになり、その後8世紀あたりまで普及していた。また、キューポラが普及する以前の溶鉄炉が甑と呼称されていたが、これは前述の甑と形容が似ていた事に由来する。

以上



ダボ:dewel(ホゾ)横型分割部の相互の位置を決定するために、合わせ目に付ける突起物。または鋳型の上型、下型を合わせるときの案内となるもの。
天狗:handle 鋳枠の把手、手持ち、天狗の鼻の形をしていることからこう呼ぶ。
きじ:素地、matrix(地、母体、金属地)一般に金属の組織のうち地の部分を言う。
じ:matrix金属組織の中の素地の部分、先に析出している組織と区別する。

(2009年11月)