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鋳物用語解体新書

「おしゃか」と「ねこ」のその後

 以前、この欄に載せた2つについて新たな解釈を見つけたのでまとめてみました。

「おしゃか:お釈迦」:「阿弥陀像を鋳るはずが誤って釈迦像を鋳てしまったことからと言われる。」とし、湯流れの話を付け加えて説明したが、「Google:語源由来辞典」では、『江戸の訛りで「ひ」が「し」の発音と同じになるため「火が強かった(しがつよかった)」とお釈迦様の誕生日「4月8日(しがつようか)」を掛けた洒落とも言われる.』との例も挙げながら、これらの説は、あまりにも出来すぎた話しで信憑性が薄いとして、『物事がだめになることを「お陀仏」と言う事から同じような連想で出た言葉と考えるのが妥当』と説明している。「お陀仏」説である。

<余談>
「阿弥陀」=「阿弥陀仏」=「阿弥陀如来」で、仏教の仏様(釈迦如来、大日如来、薬師如来、奈良の大仏様:ビルシャナ如来も)は、すべて阿弥陀様の弟子、そうすると「陀仏」は最高の方で、「お陀仏」との呟くは、「おお!神様,仏様!・・・・・」となり、「Oh!My GOD!」に似た心境とも取れる、不出来なものが砂の中から現れて「お陀仏」、混乱して「おしゃか(様)」の連想は分から無いでもない。

「鋳物用語辞典,日本鋳物協会編、昭和32年9月30日発行」では、「ねこ」を『木型の接合部の位置を決めるための案内片』としている。なぜ「ねこ」なのかは、書かれていないのが残念である。以前この欄で説明した「ねこ」の事は「ねこぐるま(手押車)」と別に書かれている。

 

(H.K)
(2010年7月)