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鋳物用語解体新書

「とんぼ」から「ケレン」、「型持ち」まで

 「とんぼ」という現場用語を調べてみた。辞書を引くと「ケレン」、「型持ち」を参照せよとある。「とんぼ」はケレンの一種で正確には「とんぼケレン」のこととわかった(意味は※参照)。 
今度は「ケレン」=「型持ち」で、英語がChaplet、この和訳は、[鋳]型もち、となっているが、本来の意味は、花の冠、玉飾り、かえるの卵のようにじゅず状に連なったもので、「型持ち」を連想できない。また「ケレン」の語源も分からない。
 いつもの古い鋳物用語辞典に独語:kernstützeがあり、<kernは中子型のこと>、<stützeは支え、支柱、踏み台>の意味がある。英語と異なり大変良く分かる単語である。また「ケレン」が独から伝わった技術なのだろう。かつその語源も理解できた。

※中子を支えたり、定位置に保持するために鋳型空隙部に置かれる金具、鉄系の鋳物には鋼製のものが用いられ、吸湿,錆止めのいために表面にSnなどの鍍金を施したものが多い。つづみケレン、かごケレン、とんぼケレン、特殊なケレンがある。

(H.K)
(2011年6月)