会員向け情報

鋳物用語解体新書

ねこ

 「ねこ」とは、前方に車輪が一つ付いた荷物運搬用の手押し車のこと。(ただし、現場では2輪の手押し車も「ねこ」と呼んでいた。)これに「パイスケ」(前々回5月号で紹介した)を幾つも積んで型場などの狭い合間を行き来でき重宝されていた。

 語源を辿ると、建築業界用語で、猫(ねこ)だから通れるような狭い現場の足場のことを「ねこ足場」、そこを通ることが出来る一輪車を「ねこ車」と言う。同じように鋳造工場の型場や工場内は狭い,そこで使われる一輪車も「ねこ車」,これが詰まって「ねこ」と呼ばれるようになったとのこと。

 因みに英語でも鉄橋や機関室などに設けてある狭い通路を「Catwalk」と言う、洋の東西を問わず猫のイメージは同じようである。「Catwalk」を直訳すと「ねこが通る道」となる。だが、外国で「一輪車」を「Cat」と呼ぶかどうかは分からないが。(M.N)

(2009年7月)