関東支部のご案内

年頭の挨拶

予想がつかない年、始まる Part 2

公益社団法人 日本鋳造工学会 関東支部
支部長  本保 元次郎
本保 元次郎

新年明けましておめでとうございます。

 新しい年が始まり、会員の皆様方には何かとご多忙の日々を過ごされているものと思います。アメリカでの株価上昇に影響されて、新年の大発会では株価が昨年の大発会に比べて5000円ほども上昇し、26年ぶりの高値となりました。まだ、バブル崩壊を思い出すと不安要素は残りますが、2020年の東京オリンピックに向けての各地で準備と施設建設が始まり、官民投資により国内景気は回復基調が続くとの予想が出ています。一方、国内政治に目を向けてみますと、昨年後半に次々と問題が浮上した安倍内閣ですが、衆議院選大勝を受けて7年目の長期政権に入りました。そして、長年の懸案であった憲法改正に向けて、本格的に議論し取り組む情勢となっています。

 海外では、昨年初めにトランプ大統領が就任し、アメリカでは政治的な混迷が起こりました。その後1年目を迎えて就任当時の混迷が一段落するかと思いきや、次々にロシア疑惑などが浮き彫りになり、また大統領の内情を暴露したスキャンダル本が発刊され、さらに混迷を増しているのではないでしょうか。一方、イスラム国崩壊によるテロ拡散やエルサレムの首都承認による宗教的対立など、世界中には様々な問題が残っています。身近な北朝鮮の問題では、核やミサイルによる挑発行動が繰り返され、一歩間違うと、武力衝突に発展しそうなことが度々起こっています。また、来月から韓国の平昌で始まる冬季オリンピックへの参加も表明するなどの融和的なニュースもテレビで取り上げられていて、どちらに向かうのか方向性が見えません。今年も、どのようなことが起こるか、本当に先行きの見えない予想のつかない年になる気がします。

 話題が変わりますが、日本の主要産業となる自動車業界においても大きな変換点となる年になるのでないでしょうか。昨年末に報告された最大手の自動車企業では、2020年までに電気自動車の車種を大幅に増やし、2025年の終わりには全てハイブリット電気自動車や電気自動車にするとのことでした。また、フランスでは、2040年にはエンジン等の内燃機関の自動車を廃止する方針が打ち出されています。世界的に電気自動車への潮流は加速し、近い将来自動車エンジン等の生産は大幅に減少していくと予測されます。これは、自動車エンジン等鋳物の生産にかなりのウェートを占めていた鋳造業界にとっては、避けては通れない極めて大きな変換点となり、電気自動車に対応した新しい部品鋳造技術の開発が求められています。これには、鋳造業界全体を含めて早急な対応と改革が急務となっています。しかしながら、高い技術に裏打ちされた日本の鋳造業界は、この難しい対応を知恵と努力により無事乗り越えていくものと確信しています。

 さて、5月18日(金)から5月21日(月)にかけて第171回全国講演大会が神戸国際会議場にて開催されます。大会では、研究発表講演大会をメインとして、通常総会、技術講習会、パネルディスカッション、全国YFE大会、カタログ展示、工場見学会などが予定されています。多くの会員の皆様がご参加いただけますよう、また、日頃の研究成果をご発表いただけますよう、よろしくお願い致します。なお、講演大会期間中の5月19日(土)と20日(日)には、第48回神戸まつりが開催されます。そのため、多くの人出が見込まれ、宿泊施設等が混雑することが予想されます。お早めに対処いただければと思います。

最後になりましたが、本年も会員の皆様の益々の発展を願うとともに、鋳造工学会の活動へのご理解とご協力をよろしくお願い致します。

(平成30年1月)