セミソリッドダイカストについて
セミソリッド状金属とは図2)に示すように、液相と固相が混在した状態のことをいう。この状態を得る方法は多数あるが、典型的な例を図3)に示す。図中の攪拌棒で溶湯を攪拌しながら凝固させ、発生した初晶デンドライトを破壊して、溶湯中に固相粒子として分散させることで得ることができる。したがって、冷却速度及び攪拌速度及び冷却と攪拌の程度により、固相粒子の大きさ及び固相率が異なる。これは平衡状態図の固液共存領域で行われ、固相線温度と液相線温度の差が大きい合金ほど、セミソリッド状態を作ることが容易である。
図3に示す方法で溶湯の温度を低下させ、凝固過程で固相と液相が混在した状態を一般的には半凝固状金属という。また、この様にして得られた半凝固状金属を、急冷凝固させた材料を再度加熱して再び固相と液相が混在した状態とする。これを半溶融状金属と呼び、半凝固状金属と区分けしている。半凝固状にする方法として、機械的攪拌法、電磁攪拌法、機械的振動法、超音波振動法などがあり、半溶融状にする方法として電磁加熱法などがある。
セミソリッド状金属での工業化が進んでいるのがアルミニウム合金によるダイカストの分野である。セミソリッドダイカストには2つの方法がある。1つは図4)に示すレオキャスト法(Rheocasting)という方法である。この方法は、攪拌凝固により得られた半凝固状金属を、そのままダイカストマシンのスリーブに滴下し、射出成形する方法である。もう1つはチクソキャスト法(Thixocasting)と呼ばれる方法で、この方法を図5)に示す。この方法は攪拌凝固により得られた連鋳棒を必要量切断し、再加熱により再び半溶融状金属にしたものを、ダイカストマシンのスリーブに挿入射出成形する方法である。
セミソリッドダイカストは表1)に示す特徴を持っている。この中で、低い鋳造温度、小さい凝固潜熱による金型寿命向上は、高融点金属ダイカストの可能性を示唆しており、また、鋳巣の低減はセミソリッドダイカストの主目標である。 |