誰でも分かる技術

誰でも分かる鋳物基礎講座

溶解

3.キュポラ溶解の実際 「3-2 キュポラ溶解のキーポイント」
川口鋳物工業協同組合 山中 昇

 操業に当たり、燃料のコークス、地金の銑鉄、鋼屑、返り材、故銑、成分調整用の合金鉄(Fe-Si、Fe-Mnなど)それに造滓剤(石灰石)を用意する。コークス粒の大きさは、炉径の1/6~1/10程度が良く、細かいと燃焼反応が急激すぎてしまい、大き過ぎると集中した発熱が無くなる。鋳鉄の性質を左右する炭素量の調整には、鋼屑を20~50%程度配合し、SiやMn量の不足分は合金鉄で補充する。

図3 γ線によるコークス床の高さの測定

 造滓剤は、スラグ化したコークスの灰分に流動性を与えるために使用され、地金重量の3~5%程度入れる。地金の1山重量は、炉の溶解能力(1時間)の1/10程度で、投入間隔は5~6分程度になる。地金と一緒に入れるコークスは追込めコークスといいベットコークスを補充するため10~15%の範囲で、炉径が大きくなると熱効率が良くなり、比率は低くなる。適正な追込めコークス量が、ベットコークスの高さを安定させる。

図4 ベットコークスの高さの違いによる操業中の
コークス床、出湯温度との関係

 初めにベットコークスを入れ点火する。灰を飛ばし充填を良くするために空吹きを行う。ベットコークス高さが、炉径の1。5~2倍の高さになっているか計測する。その後、1山地金を順次積み込んで送風を開始する。
  図3はγ線によるコークス床の高さの測定例で、ベットコークスは、操業時間の経過と共に充填性が良くなり、コークス粒も丸みを帯び小さくなるので、積み込み時の1/2の高さになり、正常な溶解に入る。

図5 コークス比とベット
コークスの高さ

 図4はベットコークスの高さの違いによる操業中のコークス床、出湯温度の関係で積み込み時のベットコークスの高さが高いほど、高く維持でき、高い出湯温度が得られる。
 また、図5に示すように追込めコークス量、コークス比が少なすぎると、ベットコークスの高さが低くなり出湯温度が低下する。図のコークス比は1t/Hr炉でのもので一般には、こんな高いコークス比はない。