金型鋳造
アルミニウム合金では金型鋳造は古くから用いられている。キャビティーを掘り込んだ金型を鋳造機に設置し、湯口から重力により溶湯を型内へ流し込み凝固させる。溶湯を金型前に設けた湯受に入れて、その後ゆっくり傾動させながら鋳型内に注湯していく傾転式が比較的多く用いられている(図4)。押し湯が大きくなり製品歩留まりはあまりよくないが、圧力がかからないので、中子を必要とする製品にも利用できる。ダイカストのように高速で溶湯を流し込むことはなく、十分な金型の水冷を効かせることができるため冷却速度も比較的速いので、熱処理と組み合わせて良好な材料特性を示す製品を作りやすい。ホイール、シリンダーヘッド、インテークマニホールドなど多くの製品があるが、ピストンの大半は多数個取りの金型鋳造機で作られる(図5)。鋳造機はダイカストマシンより簡単な構造であり、金型も安価になるので、設備費等が大幅に低減できるメリットがある。
低圧鋳造
これは密閉された溶湯保持室に空気圧を送り、魔法瓶の要領で炉の中央に置かれたストークと呼ばれる筒を介して溶湯を上部の金型に押し上げて注湯し、凝固末期に圧力を抜いて、未凝固の溶湯を炉に戻し、製品歩留まりを高くする方法といえる(図6)。ホイールや複雑な中子を組み込むシリンダーヘッド等への利用が多い(図7)。
砂型鋳造
これまで各種部品の試作や小ロット生産品に用いられることが多かった。しかし最近ではコスワース法によるシリンダーブロックの製造や消失模型によるシリンダーヘッドの製造等、砂型の量産性を生かした利用方法も見られるようになり、従来とは若干評価が異なってきている。また、建築関係の大型外装パネル(2~3mx数mx1cm程度のものもある)、街路灯などの大型装飾品、大型モニュメントの製造等ではVプロセスを中心とした大型鋳物には砂型鋳造が不可欠である。
その他の鋳造法
アルミニウム合金の代表的な鋳造法としては上述のものが一般的ではあるが、最近普及しつつある鋳造法に半溶融鋳造あるいは半凝固鋳造というものがある。これは、漢字が意味するように、セミソリッド状態(固体と液体が混在)の溶湯を鋳造する方法である。前者は素材となるビレット価格が高いために10年ほど前よりは普及が停滞しているが、後者は通常の地金を使用できるとのことで最近、多くの実用例が現れ始めた。特殊な製品ではその他の鋳造法も利用されている。 |