鋳鉄の中でねずみ鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄が多く使われていますが、その材質は、まずは黒鉛の形状が大きく影響する。ねずみ鋳鉄ではA型のように黒鉛が、ほどよく分布し、方向性が見られない黒鉛が機械的性質において優れている。このA型にするには化学成分の管理と接種をきちんと行うことである。また、薄肉であったり小物であったりすると鋳物の冷却が早く、黒鉛がD型になってしまうとかチルが出ることがある。このようなときには、Si%を上げるとか、接種量を増やすとか、薄肉の傍に“はかせ”をつけ、薄肉部にはじめに入ったぬるい湯を通過させ、鋳型内で製品の外に作った“はかせ”に、はかせてしまう等の手立てが必要である。
黒鉛の形状を検査し、保証するには製品の一部、または同時に注湯した試験片を顕微鏡で検査するしかない。 球状黒鉛鋳鉄では、勿論球状が良い。Ⅴ型とかⅥ型のかたちのものが全黒鉛の70%または80%(これを球状化率という)以上占めないと機械的性質が悪くなる。球状化率が良いかどうかは、顕微鏡で組織を見ないでも、破面試験でも分る。鋳物砂を固めたところに15φで長さ150mmくらいの棒を差し込み、穴を開けその中に球状化処理した湯を注ぎ、冷却後ハンマーで折って破面を観察する。白っぽければ球状化は70%程度以上であるし黒っぽければ球状化が70%以下の恐れがある。この方法は簡単だが、丸棒を折りにくいので、シェル型等で25×30×100mmくらいの形状で中間にノッチが付
いた試験片を鋳造し、ノッチのところから折り取りその破面を見るという方法がある。
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